二位ガン 呟く|ω・*)

It's the main blog.

うんめぇ〜ね〜 3

人体実験

 

 

ニンニク

   タケシは仕事から帰るなり手を洗い、食卓に向かった。

「ただいま!婆ちゃん。あーっ腹減った、今夜は何?」

 

いつもと違い、 婆ちゃんは背を向け皿を洗っている。

 

「そこに天ぷらあるから食べな」

「えっ、なにこれ?」

 

「ねぎのかき揚げだぁ」

「ねぎっ? エビとかね~のぉ、まぁーいいや」

 

そういい空腹には変えられず、頬張ると。

 

『モクモク』 

(えっ?!)

 

 ネギのわりに変な食感、匂いをかごうとしたが、タケシは慢性鼻炎で鼻が詰まっているので匂いが良く分からない。

 

「婆ちゃん、これねぎじゃねーろ??」

 

「ばれだがー、ニンニクのかき揚げだんさ~、体にいやんだと!今日、テレビで言ってたすけ、いっぱい食べれる様に天ぷらにしたんだー」

 ニンニク, 香料, 調味食品, 調味料, 辛味, 辛い, ニンニクのクローブ, 健康, 菜食主義者, 料理

 

(マジか…)

 タケシはなぜか嫌な予感がしていた。

ニンニクはそんなに沢山食べるもんではない、たまにしか料理をしないとはいえ、それくらいは知っていた。

 

 翌日

『ブッぶっ~ブふ~』朝からおならが止まらない。

 

「会社で大丈夫かな、やばいよマジで」

タケシはとにかく屁コキ扱いされたくない、彼女もできないうちからそんなので噂を広がられたくない。

 

兎に角、屁が出るたびにトイレへ駆け込んだ。

 

(くっそ~、アンの婆ぁ)

 

 タケシは一日「屁」で悩まされ続けた。

婆ちゃんは自分が体弱いからか、やたらと健康志向である。

異常なまでにいろんなものを試したがる。それが原因なのでは?と思う時もあった。

 

「ただいま!今日一日大変だったんだぞ!屁が出まくるし、その度にトイレ行って、行き過ぎだって叱られるし!」

 

「えぇ~、そうやんかぁ、一日くらいいいにっか」

 

「いいわけねーだろ!一日中屁が出てんだぞ!今も、アッ」

 

 トイレから戻ると、何かおかしな表情の婆ちゃんがいる。

 

「まずご飯食べれや、ほれ」

 

イワシ 

「なんだよ、これ?」

 

コップに半分くらい、金色に輝く液体が入っている。

 

「先ず飲んでみれ、体にいいすけ」

 

飲まないとご飯が出てこない、と判断したタケシは一気に飲んだ。

 

「グハ!ゴホォー、なんだこれ?!水くれ!」

 

「全部飲めばいいねっか!!なんで残すんだ!?」

 

「自分で試してみたんか?これ油か!?なんのだ?」

 

「焼いたイワシの油だぁー」

イワシ, 魚, メッキ食品, 食品, グリル, 地中海の, 準備, 健康, 料理, 写真, 揚げ, 海, 昼食

 「ふっざけんなよ!オカズくれ!こんな油飲ませてどうしってんだ!?」

 

「今日、テレビで体にいいって出てたんだがな」

 

「ハイ、質問です。あなたは飲んでみましたか」

 

「おら、油はきついからのんでねーよ」

 

「自分で試さずに俺で験すな!本来捨てる油だろ!」

 

 早く気付くべきだった。

ばれない様、婆は油のみ入れたつもりだったのだろうが、少し表皮がキラキラと浮いていたのだ。

(また騙された)

 

タケシはこれ以来、夕飯になると警戒心が強くなるのであった。

 

玉ねぎ

 タケシは、水でさらして食べる玉ねぎが大好きだった。

祖父は畑が趣味で、婆が困るほどいつも野菜を持ってきた。

腐って食べれないほど…

 

 ある日のことだ、婆ちゃんは珍しくワインを飲んでいた。

 

「珍しいね、婆ちゃん。ワインなんて」

 

「おう、お帰り、じさまは日本酒しか飲まないから一人で飲んでんだぁ」

 

そういい、婆ちゃんはご飯を用意してくれる。

何だかんだでありがたい、いつも家族の為に考えてくれるのだから。

 

タケシは何故か感謝の念を抱いていた。

 

「ほい」

 

その時出されたのは赤黒く染まった輪切りの何か。

 

「これは、、、なんだい?」

 

「玉ねぎのワイン付けだー!食べてみれ!!」

タマネギ, タマネギのみじん切り, 赤玉ねぎ

 いやっ、そんな自信満々に言われても。

少し気おされ気味になりつつも、タケシは強気になった。

 

「じっ、じいちゃんには食べさせたん?」

 

「いや、じさまは我が儘だから食べねーろ、タケシは何でもよく食べるっけさ」

 

いやいや、そういう話ではない。

 

「頼む、普通に作ってくれ、こんなの嫌だ」

 

「なんだんだ!!?人が折角作ったのに!どういうつもりなんだ!?」

 

物凄くキレられた、意味が分からない。

 

仕方がないからひとかじり。

 

グニャ、ジュワ

 

 玉ねぎ本来の甘味は感じない、ワインのえぐみと相まって、口の中で吐き出したくなるような味わいが広がる。

とてもオカズにはならない。

当然だが、つまみにもならない…

 

「婆ちゃん、これは無理だ、自分で食べてみれ」

 

「いや、ワイン飲んだからおらはいいわ」

 

「勝手すぎんだろ!!」

 

結果、食品ロスがこの日起きたのだった。

 

 

朝から焼肉

  タケシの婆ちゃんに限らず、買い過ぎてため込む主婦の方は、少なくないのではないだろうか。

 

タケシの住む村には、そこそこ大きなスーパーがあり、みんなこぞってそこへ訪れる。

土曜になると大安売りがあるので買い出しによく連れていかれたものだ。

 

肉も村内に養豚場があり、そこから直接取引らしく結構安い、だから安売りがあるとついつい買い込むのだ。

 

 問題は婆ちゃんの使い方だ。

その日の朝も婆ちゃんはやってしまった。

 

「おはよう、何作ってんの?」

 

タケシが大きくなってから、大体朝は目玉焼きと味噌汁、納豆だ。

でもこの日は珍しく「肉」を出していた。

 

「肉勿体ないから、焼いて食べさせてやろうと思ってな~」

 

焼肉のたれを持っている。

 

だが、問題は肉だ。明らかに色がおかしい。

緑色が混じっている。

 

「これくさってんじゃない!?捨てようよ!」

 

「勿体ねーろ!!なんでオメはそう直ぐに捨てようとかいうんだ!?」

(もう焼かせるしかない、どのタイミングで分からせようか…)

肉をフライパンに乗せていく、音だけはいっちょ前だ。

メインコース, 焼き肉, 自家製, チョップ, 肉, バーベキュー, 夏, グリル, おいしい, 食べる

  その時だった。

 

「かぁー、くっ、くせー!!ゲホ、ゲホ」

 

焼いた当の本人が、吐きそうな勢いで咳をしている。

 

「ウッ、うわっ、なんだこれ!!??クッセー!!!」

 

タケシも吐きそう。

この後、キッチンは異臭騒ぎになり、茶の間にいるじいちゃんまで被害者に。

 

全くうまくない今回のお話でございました。

 

4へ続くのであろうか。

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村