どうして人間はあんな綺麗なところで醜い争いばっかり繰り返すんだろう。
「二位ガン呟く」アニメメカシリーズ始動です
今回は32年間に放送されたGAINAX作品、ふしぎの海のナディアです。
主題歌は以前ご紹介した森川美穂。
冒険が呼んでいる
本編は原作が「海底二万マイル」「神秘の島」というお話で、ジュール・ガブリエル・ヴェルヌ(フランスの小説家)が作ったそうですが、ガイナックスカラーがガンガン押し出されている傑作です。
ヒロインのナディアはもちろんのこと、個性的なキャラが盛りだくさん。
庵野秀明さんが監督を行った作品でもあるので新世紀エヴァンゲリオンを見たことのある方は是非この作品も観てほしいです
彼との出会い
とある飛行機コンテストで叔父と参加していたジャン・ロック・ラルティーグ。
彼は以前父を海難事故で亡くし、叔父夫婦に引き取られていた。
コンテストに胸躍らせ挑むジャン、そんな最中ある一人の黒人と思われる女の子に出会う。
彼女の名はナディア。
どこか陰のある彼女、ジャンは一目ぼれしてしまい彼女を追いかける。
こんな気持ちは初めてだった。
だがナディアは心中穏やかではない。
そう、彼女は追われていたのだ。
胸に光るブルーウォーター、
その真の価値を知らずに追いかけてくるグランディス一味。
コンテストも放り出し、ジャンはナディアを連れグランディス達から逃げるのだった。
感心して損しちゃった。
時折ナディアはジャンに辛らつな言葉を投げかけます。
それでもめげず献身的なジャン。ひ弱そうに見えてジャンは人一倍好奇心と思いの強さを持ち合わせています。
序盤から現れるネオアトランティス。最大の敵に対してもナディアを守るため、取り戻すため、その知恵を振り絞り、時に仲間と協力し対峙します。
アトランティスとその技術
newgenworld.hatenablog.com ここでは人造オリハルコンとして登場しています、金属や布に塗布して「強化テクタイト」というものにされていたり、ガラスにも使用され知らずに飛び込んで顔面を打つシーンなども・・・
ノーチラス号、ネモ船長率いるこの潜水艦には「対消滅エンジン」という現代でも理論しか出来ていない動力炉が組み込まれています。対するネオアトランティス側のガーフィッシュの主動力はL動力機関というもので、当時海中でノーチラス号に敵う相手はいなかったのです。
対消滅の限界
ノーチラス号は元々宇宙船で(正式名:第二世代型惑星間航行用亜高速宇宙船 エルトリウム)、それを地球上で使用するために潜水艦へと改造することが必要だったわけです。
宇宙では推進力として申し分ないのですが、重力下では長時間飛行は困難。
そして目立つ。
秘密裏にネオアトランティスと戦うことが必須だった為というのが大前提なものの、中盤でネオアトランティスの空中戦艦に捕らえられ発掘兵器、原子振動砲でバラバラにされてしまいます。
ブルーウォーター
ナディアがいつも首にかけている宝石です。
その硬度はオリハルコンを凌駕するほどで、頑強なノーチラスの船体にも傷をつけるほど。
時にナディアを助け、時に苦しめます。
ネオアトランティスの総帥、ガーゴイルはナディアではなく世界を手中に納めるキーになるブルーウォーターを狙っていたのです。
冒頭に書いた言葉はジャンが初めて地球を見た時発した言葉です。
少年がこんな風に感じているのに、何故愚かな行為を続けるのか。
作品を通じて語りかけてるかのようにも思えます。
縮退炉
この動力炉、画像が乏しいので動画を張ります。
ロンドンが消されかけた時現れたニューノーチラス号。 実は新造戦艦ではなく発掘されたものでした。
ネオアトランティスの次々と出てくる新型兵器も発掘されたものなのです。
しかし縮退炉が搭載された戦艦は数が少なく、沈んだブルーノア・後半ガーゴイルが乗り込むレッドノア・そしてニューノーチラス(正式名称:第四世代型超高速恒星間航行用超弩級万能宇宙戦艦エクセリヲン)この3機のみ、最後はレッドノアとニューノーチラスが火花を散らすことに。
GAINAX作品には共通するメカニックやアイテムが登場します。
縮退炉はナディアの前に制作されたトップをねらえでエクセリヲンに搭載されています。
ここいらへんで繋がりを感じさせ、見る側にも想像力を働かせますね。
ニューノーチラスは縮退炉が主動力で、補器として対消滅が搭載されています。
そして縮退炉の出力ではバリアーが使用可能となります。
それでもレッドノアには出力で及ばないニューノーチラス、攻撃力と仲間たちの協力でどう切り抜けるか。
出来れば見ていただきたいと思います。
(YouTube、Amazonprime videoでも視聴可能です)
グラタン(グランディスタンク)
グランディスの部下ハンソンが作り出した6輪タンク、私的には一番かっこいいと思います。小型で油圧でマジックハンドを動かしたり、前後に搭載されている4本のシリンダーは障害物を乗り越えたり、引っかけたり、時に攻撃にもしようと幅広い用途に対応でき、ハンソンの技術力の高さが伺えます。(グランディスはカトリーヌと名付けましたが誰も呼びませんww)
(👇こんな玩具あったの知りませんでした)
(後半レーザーまで搭載されます、スゲっ)
ニンゲン
正式名アダム :アトランティス人だけでは人手が足らず、しもべにするべく最初に作り出された人。小型が困難だったため保管され、地球上にいた猿人類を元に生み出しました。
エヴァとの繋がりも少し垣間見えます。
これは現代においても謎とされている進化論です。
猿はいまだに自己進化していないわけですから。
ノーチラスの仲間たち
一緒にやろう、仲間じゃないか。
ネモが一人で特攻をかけようと乗組員全員を下す指示を出したとき、機関長はそういい誰一人として降りようとしませんでした。
そしてネモ達に保護され共に戦ってきたエレクトラ。
綺麗な容姿で品性が感じられるのでハンソンが骨向きになってしまいます。
しかし気は人一倍強く、ネモを取られまいとグランディスと張り合う場面も多々出てきます。
私が笑ってしまったことがあるのは、ノーチラスから脱出したのちのナディアたちの望遠の中でナレーションがエレクトラだったことです。
毎回かなりディスってるんですよ「ナディアは一体何を考えて生きているのでしょう?」
確かに脱出後、異常行動が多いナディア。
そして菜食主義者かと思いきや、単に好き嫌いが多いだけだったり・・・
最年少のマリーが一番大人びていました。
チャーミングという言葉がよく似合う女の子です。
ネオアトランティスに両親を射殺されながらも一心に愛してくれるナディアと愛らしいライオンの赤ちゃんキングのおかげで徐々に本来の明るさを取り戻します。
グランディス一味
ハンソンもサンソンも元はグランディス家のお抱え運転手と技師でした。
グランディスが詐欺師に騙され家を乗っ取られたあと二人だけは離れず「あねさん」と慕いついてきたのです。
この辺でグランディスの人柄が伺えます。
ノーチラスで共に戦うことになったとき心の支えと、最前線に出る勇気、この三人なくしてふしぎの海のナディアは成り立ちませんでした。
ネオアトランティス
32年前、まだ高校生だった私が見ているだけで冒険にさせてくれた大切な思い出。
前を向いて、でも時に振り返ってみて。
そんな気にさせてくれる作品です。
ここまでお読みいただきありがとうございました✨